日々の暮らしのなかで「怒り」「悲しみ」「恐れ」などの「負の感情」に振り回されていませんか?精神科医の藤野智哉先生は、「『自分の感情を自分でコントロールする感じ』がもてれば、気持ちがラクになり、生きやすくなることもあります」と話します。そこで今回は、藤野先生の著書『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』から一部を抜粋し、「嫌な気持ち」への対応をご紹介します。
機嫌がいいに越したことはないけれど……
「できればいつも機嫌よくいたい」。そう思う人は多いでしょう。
では、「機嫌がいい」とはどういう状態でしょうか。
医学的に「機嫌がいい」という状態が定義されているわけではないのですが、心理学の分野の一つである感情心理学では「気分(mood)」という言葉を使うことがあります。「感情」はその瞬間瞬間の短い揺れ動きですが、「気分」は感情よりも長く続くものとして扱われます。だから「機嫌がいい」というのは、「いい気分が安定して持続していること」ともいえるかもしれません。
いい感情が持続している間は、ほほ笑みが出たり、声のトーンが上がったりもするでしょう。そうした表情や声などさまざまな情報から、周囲の人は「あの人は機嫌がいい」と判断していることになります。