日々の暮らしのなかで「怒り」「悲しみ」「恐れ」などの「負の感情」に振り回されていませんか?精神科医の藤野智哉先生は、「『自分の感情を自分でコントロールする感じ』がもてれば、気持ちがラクになり、生きやすくなることもあります」と話します。そこで今回は、藤野先生の著書『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』から一部を抜粋し、「嫌な気持ち」への対応をご紹介します。
上司が不機嫌なのは自分に対してだけ?ほかの人にも同じ態度?
上司からのフキハラ(不機嫌ハラスメント)に悩んでいる場合は、どう対処するべきか。
それは、何を目標とするかにもよると思います。
上司のフキハラに耐えられない、自分が過ごしやすい職場環境にしたいというのが目標であれば、一番の手段は訴え出ること。そうすれば、自分の主張が正しいかどうか認定されちゃいますから。
ただ、その結果自分が負けることもあるし、事実としてハラスメントじゃなかったという例も多くあります。
また、上司の不機嫌を解消することで本当に職場の居心地がよくなるのかという問題もあります。
自分主体でハラスメントを訴え出る人の中には、何でもハラスメントにしちゃう人、被害者のプロみたいな人がいるのも事実です。
相手のハラスメントを疑うときは、解決のためにも、自分のその認知が正しいのかしっかり評価してみる必要があります。
そもそも、上司の態度が本当に不機嫌に基づいているものなのかを見直す方法もあるわけです。
たとえば、その上司があなたに対してだけ不機嫌なのか。ほかの人に対しても同じ態度なのだとしたら、それはもう不機嫌だからではなく、そういう性質の人である可能性があります。