精神的DVにもなる
とはいえ、家族を無視して口をきかないというのは、場合によっては「精神的DV(ドメスティックバイオレンス)」にもなります。
「フキハラ」というと言葉が軽くなり、何でも「フキハラ」で片づけられてしまいがちですが、無視したり、舌打ちしたり、怒鳴ったりというのはフキハラというより精神的DVでしょう。
そうなると難しいのは、「じゃあ、どうする?」ということ。法でとがめることができるかというと、そうはできない人が多いという残念な現実があります。
家族として共同体生活が成り立たないような相手であれば、本当は一緒にいること自体が間違いなわけですが、そこで離婚できるかというと離婚できない人が多いのも現実だと思います。
でも前述のとおり、どんなひどいことをしているのか相手が本当にわかっていない、事の重大さに気づいていない場合もあるので、伝えられるならしっかり伝えていくことは大切です。またそういった行動は、自分には大切にされる価値があるということを再確認することにもつながります。
伝える際に大事なのは、自分を主語にすること。相手を主語にして「あなたはこうです」と責め立てると、相手は「そんなことない」と、ますます怒ってしまうでしょう。
だから自分を主語にして「私はつらい」「私はこう思っています」、それだけをしっかり伝えるに限ります。
フキハラをする本人を主語にして責めるのではなく、「私はこう思っている」と自分を主語にして伝えましょう
※本稿は、『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。
『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』(著:藤野智哉/主婦の友社)
この本では、SNSフォロワー数12万人の精神科医・藤野智哉さんが「負の感情」に賢く向き合う40のメソッドを紹介します。
相手の態度や感情をコントロールすることはできませんが、自分の受け取り方のクセを変え「自分の感情を自分でコントロールする感じ」がもてれば、気持ちがラクになり、生きやすくなることもあります。