年を重ねていくと、心身にさまざまな変化が生じます。老後を元気に過ごしていくためには、どうしたらよいのでしょうか?今回は、長年高齢者医療に携わる精神科医・和田秀樹先生が、変わっていく自分の体に対する考え方や対処法をまとめた『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』から、一部を抜粋してお届けします。
頭がいい人ほど長生きする
80歳以上になると、脳は使っていても衰えてきます。90歳だったら、テストをしたら6割の人が認知症という結果になるとされています。
でも、これには誤解があります。テストの上では認知症でも、話をしてみるとかなり深い話をする人はたくさんいるのです。
脳が衰えている、認知症だとされるのは、あくまでも「テストの上」でのことだと認識してください。実際の生活の上では、なんら問題のない人がほとんどなのです。
「年をとると頭が悪くなる」と思う人がいますが、これは間違いです。確かに短期的な記憶障害は年をとるほど増えます。80歳の人は、90%記憶障害が出ることがわかっています。でも、それとバカになることとはまったくの別問題です。