健康長寿の秘策
ここから何がわかるかというと、体の病気の有無より、脳の機能が落ちることが、寿命に影響を与えるということです。だから、私は「脳を使い続けろ」「前頭葉を鍛えろ」と言い続けているのです。
この研究によると、高卒より、大卒のかたのほうが、定年を迎えてから4年後の死亡率が高いこともわかっています。これは、大卒のかたは頭脳労働、いわゆるホワイトカラーの人が多く、定年になってから何もしなくなることが多いからでしょう。
日本でも、高齢者の就労率の低い都道府県ほど老人医療費が高く、高齢者の就労率の高い長野県が一番医療費が低いことがわかっています。年をとっても働き続けることは、健康長寿の秘策です。現役でいることこそ、頭にも体にも効く特効薬なのです。
※本稿は、『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』(興陽館)の一部を再編集したものです。
『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』(著:和田秀樹/興陽館)
年をとって変わることなんて当たり前。
それでも、大丈夫、心配いりません。
この本では、変わっていく自分の体に対して、どう考えて対処すればよいのかを書きました。