勉強は取り戻せる

不登校の子はほとんどの場合、どこかのタイミングで集中的に勉強します。取材では、半年から1年ほどの勉強で、分数の掛け算もできなかった子が有名な大学に進学したり、漢検や英検2級を取得したりという話はよく聞きます。不登校から、有名企業やユニセフに入った方、弁護士や医者になった方もいます。

ポイントはやる気が起きるまで、周囲が「好きなことをしていても大丈夫だよ」と言っていた点です。充電期間があって心が回復しなければ、勉強しても頭に入ってきません。学力は心の余裕と比例すると考えています。

たとえば、引きこもりの子が高齢になって収入のなくなった親と同居して経済的に困窮してしまう「8050問題」があります。50代や60代まで尾を引くのは、心に受けたダメージの量によります。

不登校や行き渋りがあった場合、無理を重ねればその分、子どもは深刻な精神的なダメージを負うため、回復に時間を要します。周囲が相談機関や医療機関ともよく相談し、焦らず対応することが肝要です。

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