毎日の庭の手入れに飽きることはありません
まだ庭づくりを始めたばかりの頃、植えた小さなカツラの木はとても大きく育ちました。
小さなブルーバードの木も、東京のマンションのベランダで、鉢で育てていた頃は背丈1メートルほどだったかと思いますが、安曇野の気候風土と相性がよかったのか、すくすくと育って、今では庭のシンボルツリーに。
巣箱やエサ台を設置したところ、なんと昨年春にシジュウカラがやってきて、巣箱で雛を育ててくれたんです。
親鳥にエサをねだるにぎやかな雛のさえずり、それに応えて一生懸命にエサを運ぶ親鳥。春は一気に庭がにぎやかになります。
移住して、庭づくりを二人で始めて、16年の月日がたちます。ずいぶんと長い時間ですが、それでも毎日の庭の手入れに飽きることはありません。
庭仕事は春から忙しくなりますが、手間のかかる芝生のメンテナンスは夫の日課。大助かりです。
私は、素焼きの鉢に花の苗を植えます。今年はペンタスという星形の花弁がかわいらしい花の苗をガーデンショップで見かけて、素焼きの鉢に植えかえました。
常緑で、花は春から秋まで長期間咲き続ける品種だそうです。緑いっぱいの庭のアクセントに素敵でしょう。
鉢植えならウッドデッキに置いたり、植え込みの横に置いたりと手軽に移動できて、ディスプレイ感覚で楽しめます。また新しい草花を鉢植えにしたりと、小さな土いじりを楽しんでいます。
※本稿は『80歳、私らしいシンプルライフ』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『80歳、私らしいシンプルライフ』(著:徳田民子/幻冬舎)
東京から安曇野に移住して16年。元『装苑』編集長、初のエッセイ
第2の人生を自分らしく楽しむ、シンプルで心地よい暮らしとおしゃれの工夫
60代で長野県安曇野市に移住し、第2の人生をスタートさせた元『装苑』編集長、徳田民子さん。移住のきっかけは、夫婦で訪れたドライブで眼前に広がる美しい北アルプスの風景だった。たくさんのものを手放し、暮らしをリセットする中で気づいたのは「シンプルって、心地いい」ということ。
移住から16年。四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた徳田さんの心豊かな日々をご紹介します。