ウッドデッキで庭を眺める、くつろぎの時間『80歳、私らしいシンプルライフ』より
元『装苑』編集長・徳田民子さんが、安曇野に移住して16年。「第2の人生」を自分らしく楽しむために、たくさんの物を手放し人生をリセットしていきました。たどりついたのは《シンプルって、心地いい》ということ。四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣などを語った、徳田さん初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』より、一部を抜粋して紹介します。

「ああしたい」「こうしてみよう」と試行錯誤。暮らしにフィットさせる工夫が毎日を快適にする

家の南側、庭にせり出すように張った広いウッドデッキがあります。

この場所は以前から洗濯物を干したり、朝食を食べたり、お茶を飲んだりと活用していましたが、最近、透明な波板の屋根をとりつけました。

この屋根のおかげで、雨の日でも濡れる心配なく、また洗濯物を安心して干せるようになり、日差しを感じながら快適に過ごせる空間となりました。

家仕事の合間にこのデッキから庭を眺めながらお茶を飲むのが、最高のくつろぎの時間です。

庭の手入れは手間がかかります。春には草むしり、夏には芝刈り、秋には落ち葉の掃除・木の剪定と、一年を通してやることが尽きません。

落ち葉掃除は時に数時間かかることもありますが、夫が率先して庭仕事をしてくれるおかげで、私は助かっています。

庭を整えるたびに、新たな空間が生まれ、暮らしがまた少し快適になるのを実感しています。

この庭には、移住当初に少しずつ植えた木々がたくさんあります。今や立派に成長し、夏には日よけになるだけでなく、鳥たちの憩いの場になっている木もあります。

彼らのさえずりを聞きながら、デッキからこの庭の季節の移ろい、いろんな表情を楽しむことは言いようのない喜びです。私たちの日常の小さなごほうび、幸せを感じる時間です。