突然の「余命宣告」
そのまま検査入院し、特別に外出許可をもらって翌日の講演をすませると、病院に戻りました。すると、夫の政伸が私を呼びに来て、一緒にお医者さんの説明を聞くことになりました。診察室に入ると、若いお医者さんが暗い顔をしています。私の顔を見ようとせず、腹部の写真を見せてこう言うのです。
「大変、深刻です。お腹の中にたくさんのがん細胞が見られます。骨盤まで入り込んでいるので、非常に厳しい状態です」
「どのぐらいということですか」
「ろろろ、6月……」
お医者さんは舌がもつれたように、こう答えました。
(6月ということは、今が3月だから……えっ、あと3カ月ってこと!?)
次の瞬間、(それはないな)と思いましたが、その場は「あぁ、そうですか」と答えて病室に戻りました。