母からの学びを胸に明るく楽しく
私ももう65歳になったので、あとは楽しいことだけやっていきたいと思っています。親だけでなく、ここ数年で同世代の友人が何人も亡くなりました。
若い頃から親しくしていた渡辺徹が逝ったときは、本当につらかった。でも、だからこそ自分が生かされていることに感謝して、亡くなった人たちのぶんも元気に明るく過ごしていきたい。
じつは私、07年に初期の乳がんが見つかったとき、死ぬのかなと思ったんですよ。ああ、あと何回誕生日のケーキを食べられるのかな、何回桜を見られるかなって。そう思ったら、一つひとつの出来事を大切にしながら楽しく生きられるようになったんです。
私はこれまで、テレビやラジオの中だけで何十年もやってきました。でも、最近はお客さまに直接感謝の気持ちを伝えたいという思いが強くなって、舞台や寄席の仕事を増やしています。浅草の演芸場で、おじいちゃんおばあちゃんを前にものまね漫談を披露したり。