今日と同じ明日を送りたい
2023年のマスターズワールドカップでは、午前中にクラシカル5km、午後にフリー5kmを走り、2種目で優勝。今年の3月に開催された全日本マスターズ85歳代のクラスでも、クラシカル3km、フリー3kmで優勝して、3度目のギネス最高齢記録を更新しました。
マスターズの世界は、私より年上の選手がいないので、常に過去の自分の記録との戦いです。健康体で当日を迎えられるかどうかなど、若い人たちとは違う難しさもあります。
スポーツクラブの友人に聞くと、70歳を超えると周囲からお年寄り扱いされるんだそうです。「お母さん安全に」「車の運転はもうやめて」と、何々をしてはいけませんと禁止されてしまう。私から見たら、70歳80歳なんてまだまだ若いのに――。
そう話すと、年下の友達からは「佐伯さんと話すと元気が出る」と言ってもらえます。友だちが遊びにくる客間には「年いったからこそ、今できることを楽しむ」と標語を飾っているんですよ。
1月になれば、このあたりにも雪が積もります。晴れたら、友だちに「一緒に歩かない?」と電話するんです。家の周囲の田んぼコースでみんなと雪を踏んで歩き、ひと滑りしたら薪ストーブを囲んでお茶タイム。これもまた、楽しいのです。
私も90歳ですから、いつまで滑れるかはわからないですし、大げさな目標もありません。それでも今日と同じ明日を送ること。一日一日を大切にして、今できることを楽しむ。今年の冬も待ち遠しいです。