ネガティブなことだって、たまたまだったりもする。それが際立って見えてしまうというのは《認知のゆがみ》です。
よく、「その日にあったうれしかったことを3つ書き出してみましょう」といいます。身の回りには、ハッピーなことも楽しいこともあるのをちゃんと認識していくようになるからです。
なお、こうした人間関係の問題がいったん落ち着いても、何年後かに、また別の認めてくれない上司や不機嫌な職場に出遭うこともあるかもしれません。そうしたらまた気持ちが後ろ向きになってしまうこともあるでしょう。
それでも、「自分はああいう環境にいて悩んだことがある」という経験がある人は、飲み込まれないように距離を取るセンサーがはたらくはずです。
以前と同じようなスピードで飲み込まれていくことなく「この考え方でいくと、また自分がつらくなるばっかりだ」と気がつく。前より少し冷静に把握することができるのは大きいでしょう。
※本稿は、『精神科医が教える 休みベタさんの休み方』(尾林誉史:著/すばる舎)の一部を再編集したものです。
『精神科医が教える 休みベタさんの休み方』(著:尾林誉史/すばる舎)
本当は疲れているのに、「いつのまにか、休みたくても休めなくなってしまった」、すべての人へ。サラリーマン時代、自身や周囲のメンタル不調に遭遇し、その後、精神科医になった尾林先生が、自身のクリニックや企業の産業医として、出会った多くの方々との対話から培った知見をもとにアドバイス。不安や焦りをなくして、休み上手になれるヒントが詰まった1冊。





