「布団に入ってもなかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚めたり、トイレに起きてしまう」――こうした睡眠の悩みを、「年だから仕方がない」と諦めていませんか? 長年不眠に悩まされてきたというトラタニ株式会社 代表取締役社長・虎谷生央さんは、「睡眠中の呼吸」に着目することで不調が劇的に改善した経験から、「睡眠の質を決めるのは、“呼吸の質”である」と話します。そこで今回は、虎谷さんの著書『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」(監修:内科医 青木晃)』から一部を抜粋してお届けします。
眠ることに必死だった私
睡眠は量よりも質。
これはいまだから、強く言えることもでもあります。
眠れなくて困っていた頃は、「すぐに眠りたい。少しでも長く眠りたい」。ただそれだけです。
そして、眠るために、私はあらゆることを手当たり次第に試しました。
睡眠の質を高めるといわれる、健康食品や乳酸菌飲料なども飲みました。
寝る前にストレッチしたり、ヨガをしたり、温かい飲み物を飲んだりしたこともあります。
夕食は寝る3時間前に済ませ、深部体温を高めるために半身浴を試したこともありました。
眠るためのツボを押してみたこともあります。
寝室に観葉植物を置いてみたり、柑橘系の香りがするグッズを枕元に置いたりもしてみました。
体内時計を整えるために、朝になったらカーテンを開けて太陽を浴びる日々を続けたこともありました。
とにかく、世の中にあふれている“眠るための情報”を集め、睡眠によいといわれている方法を片っ端から試したのです。
それだけ私は、眠ることに必死だったのです。病院で何度も処方された睡眠薬でも、解消できなかったのですから仕方がありません。