自然に呼吸が深くなる寝姿勢の手順

枕の完成度が高ければ、マットレスは現状のものでも呼吸が深くなるため、この方法でも枕を重視します。

それでは、手順です(【図版】)。

枕の使い方<『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』より>

(1)枕の高さを調整する

調整しても枕に頭を乗せたときに頭が背中より高くなる場合は、枕は使わないようにしましょう。

枕を使わないとマットレスに頭が沈んでしまう場合は、バスタオルを折りたたんで頭の下に置くようにしてください。

(2)首の下に軽く丸めたタオルを入れる

頭と背中が同じ高さになると、首とマットレスとの間に隙間が生まれます。そこに丸めたタオルを入れます。

ただし、首を圧迫しないように指が入る程度の空間をつくっておくこと。これで首のS字を支えながら、首まわりの圧迫をやわらげられます。

(3)骨盤の左右に丸めたタオルを置く

骨盤の中央10cmくらいを開けて、左右に丸めたタオルをセットしましょう。骨盤の中央を上げて支えるイメージです。

ずれ防止にバスタオルをかけると、よりよいでしょう。

これによって、うなずき運動(※)の起点となる仙骨が動きやすくなります。

以上で、自然に呼吸が深くなる寝姿勢は完成です。

また、横向きで寝ることが多い人も、最初は仰向けになって寝てみてください。

呼吸が深くなると寝入りがよくなるため、そのまま眠りにつけることもあるはずです。

どうしても横向きになるという人は、いつも使っている枕を、右を向く人は頭の右側に、左を向く人は左側に置いておくようにしましょう。

横向きになったときに枕に頭を乗せると、呼吸がしやすい状態を維持できます。

※骨盤中心の仙骨上端(付け根)が息を吸うときは後傾し、息を吐くときは前傾する動きのこと。

 

※本稿は、『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

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