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ただし、誤解しないでほしい。繰り返すようだけれど、私が無理やり復帰したのは、オリンピックという特別な大会だったからだ。

ジャンプを繰り返すバレーボールという競技の中で、足関節捻挫はよく起こるケガのひとつであるのは間違いない。そして、手術を要するような大ケガではないので、現場では軽視されることが多く「捻挫なんてケガじゃない」と試合の出場を強行する指導者も残念ながら少なくない。特に中学生や高校生の中では、捻挫でも試合に出場した、という経験を持つ選手はかなりの数になるのではないだろうか。

実際に、若い頃は回復も早い。そして何より、試合に出たい。

私にとってのオリンピックと同じように、インターハイや春高は、高校生の時にしか経験できない大会で、「捻挫をしていても出たい」「プレーしたい」と思う大会であることもよく知っている。

だからこそ、あえて言いたい。

捻挫を軽視しないでほしい。将来がある選手たちだからこそ、なおさら。

その捻挫がきっかけになって、後に選手生命を脅かすような大ケガにつながってしまうことだってある。今だけを見て無理しても、いつか、後悔する日がやってくる。強行ばかりでなく、我慢も必要だ。