「病は人生を好転させるチャンスだったとポジティブに捉えています」

翌日の午前中に、糖尿病の治療をしている病院へ行きました。予約なしでは無理だと言われたのに、大雨でキャンセルが出たからと運よく乳がんの名医に診てもらうことができました。細胞検査を受けるよう促され、X線やエコー検査などを受けた結果は「ステージI」の乳がん。幸いリンパ節への転移はなく、ごく初期のものということでした。

手術で腫瘍を取り除いてから放射線治療に移ると説明を受けましたが、先々まで病室に空きが出ないらしい。ところがまたもや奇跡的に、お盆で多くの入院患者が一時帰宅する時期なら、と言われ、8月9日に手術することに。とんとん拍子で治療が進み、自分でもビックリでした。

ただし私の場合、手術前に先生から「なんでこんな余計なことをしたんだ!」と責められたことがあって……。それは若いころにした豊胸手術のこと。乳がん手術をする際、癒着した筋肉をはがして食塩水パックを取り出すのが大変だと聞かされました。パックが潰れる危険性があることからマンモグラフィー検査を受けることができず、発見が遅れてしまうというリスクもあるのだとか。

おっぱいを大きくして男にモテたというなら、「豊胸した価値があった」と開き直ることもできます。でも実際には肩こりが激しくなるばかりで、男運の悪さは変わらず。本当に愚かでした。

手術直後はおっぱいの皮がペローンと垂れてしまいさすがにショックでしたが、3ヵ月ほどで見事元の位置におさまり一安心。お茶碗のように丸かったおっぱいが小皿みたいになっちゃいましたけどね。(笑)

放射線治療も、せっせと病院に通って無事終了。おっぱい全体が赤紫色になったり、肌がざらざらになったり、歯ぐきが下がって差し歯が抜けたり、だるかったりと多少の副作用はありましたが、半年経過した今はすこぶる元気です。