「普通」に見えるものを選ぶおしゃれ

【朝田】:役者さんの中には、流行を先取りしたり、個性の強いスタイルを取り入れたりして自分を演出する人もいますよね。

【山本】:僕は番組のゲストや講演に出るときは、三つ揃えのスーツをよく着ていました。いわゆる「世の中の通念」に沿った普通の格好をしているわけです。

作品のプロモーションなどでは、その時々の役に合わせた服装をしますが、日常生活ではなるべく目立たないよう、身だしなみを整えている範囲を超えない。

特別なものではなく、普通に見えるものを選ぶ。それが僕のおしゃれです。

【朝田】:「一般人」である私から見ると、學さんは普通のものを着ていても格好いいですよね。着こなし、コーディネーションで何か意識していることはありますか?

【山本】:特に意識はしてないですよ。ただ、今日のこのネクタイはハンドメイドのもの、ワイシャツは誂あつらえたものというように、ものの裏側にあるちょっとした物語や質に、少しだけこだわる面はありました。

足袋は足袋屋に注文して、靴はイタリア製で。それもまた、僕なりのおしゃれですかね。