介護保険の対象から除外されるのは?
例えば、特定疾病に該当する病気のうち、パーキンソン病や関節リウマチなど16疾病については介護保険の対象となりますが、それ以外の疾病は対象とはならないので注意が必要です。
また、原則として加齢に伴う疾患、障害という前提があるため、第2号被保険者の場合は、同じ骨折後遺症でも骨粗鬆症に伴う骨折は介護保険の対象となりますが、交通事故などの外傷性骨折は対象とはなりません。
同じく認知症でもアルコール依存型のものは対象から除外されます。
二つ目の問題は、高齢者を支える公的支援制度が介護保険と医療保険の2本立ての制度になっており、その違いが分かりにくいことです。
医療保険は保険料さえ支払っておけば誰でも自動的に利用が可能ですが、介護保険サービスを利用する際には改めて介護保険の申請を行い、要介護者の認定を受ける必要があります。
さらに、この20数年の間に医療制度、診療報酬体系は大きく変わってきていますが、介護保険による認定基準等は大きく変わっていません。
発足当初の介護保険は、状態が安定した人が申請をすることを原則としていましたが、医療側の病床再編と地域医療連携システムにより患者は急性期や回復期病院に入院した状態の病状不安定のまま介護施設や在宅へ退院していくことが余儀なくされてきたため、認定作業が追いつかなくなったり、実態と異なる要介護度が出されたりするといった問題が出てきています。