褒めてもらいたがる男という生き物
おかげさまで、仕事は忙しいです。目の前にやるべきことがあるのは、健康のためにはいいのかもしれませんね。心も頭も活性化されますから。
『週刊文春』の人生相談の連載なんて、締め切り前は毎回ヒィヒィ言っています。大変ですけど、書き終わった時の達成感がとにかく大きくて。だから今回、この連載が書籍になったのもほんまに嬉しいです。
そう考えると、定年を迎えた男の人は大変。夫は61歳で会社を辞めてから、ずっとやることを探し求めています。18年間、ゴルフして、ウクレレ弾いて、俳句もひねって、最近は能面も彫っているんです。
しかも能面を彫るのは、自分の家ではなく私の家。木屑だらけになるわ、部屋に能面が増えていくわ。この間も夜中に能面と目が合って、悲鳴をあげました。
夫は自分が能面を彫る姿を、私に見てほしいんです。そして褒められたい。何の役にも立たないのに、呆れますよ。