40歳で登山に出合ってのめり込み、現在は日本トレッキング協会の理事も務める市毛良枝さん。世界の名だたる高峰にも挑んできた市毛さんですが、高い山だけが山ではなく、楽しみ方は人それぞれ、と語ります。(構成:篠藤ゆり 撮影:藤澤靖子)
人との触れ合いが清々しい
知らない人どうしが挨拶をしたり喋ったりするのも、山のよさのひとつ。前方から来た人が「あと何分くらい行くと水が汲めるから、今飲んでも大丈夫ですよ」と教えてくれたりします。
私が小さいころは、東京でも、通りすがりの人に「こんにちは」と挨拶をしたし、買い物に行った先でも普通に町の人と会話していました。
でも今はそうした触れ合いが消えてしまいましたよね。ですから初めて山に登った時は、すごく清々しい気持ちになったものです。
山に行く人たちは、「なぜそれが?」というようなことも面白がれるんです。この間も友人と、「サルオガセで興奮する私たちってヘンだよね」と、大笑いしました。