「なんでそうなりたいのか?」理由を考えよう

次のステップは、先ほどの役割に対しての目的の分析です。「なんでそうなりたいのか?」をそれぞれ考えて書いてみましょう。

イメージ(写真提供:Photo AC)

ジャーナリングで大切なのは「素直に思考を書いていく」ことなので、いきなり理路整然とさせる必要はありません。「だってそうしたいから」「なんとなく」という理由でも、まずは構いません。書いた理由が漠然としていても、そこで立ち止まらずに、さらに「なぜ?」「どうして?」と自分に問いかけながら、掘り下げていくという行程も大切です。

<例:願望に対する理由>

● 「意見を尊重する上司になりたい」→ なぜなら、「昔、自分の意見を頭ごなしに否定されたのが嫌だったから」「部下の才能を潰したくないから」
● 「毎日穏やかな自分でいたい」→ なぜなら、「家族に八つ当たりしたくないから」「自分の健康を維持したいから」

理由を探る中で、あなたが無意識のうちに大切にしている「価値観」が見えてきます。

注意したいのは、「何故なのか?」「どうしてなのか?」と「願望」がどう結びついているのか?歪んでいないか?です。

ここで言う「歪み」とは、「誰かの目を意識した、本当は自分が望んでいない理由」のことです。例えば、「出世したい」という目標の理由が「親を喜ばせたいから」や「周りにすごいと思われたいから」といった外からの承認が目的になっていないか?という点です。このように「何故」が自分の核とズレていると、せっかく目標を立てても達成しませんし、達成したとしても満たされません。

逆に言えば、ここで「あれ?本質的に願っていることって……?」「もしかして?」と別の欲求に気づいてもかまわないのです。上の例であれば、誰かに褒められたいという欲求に気づくかもしれません。あるいは明確に認められたい人がいる可能性もあります。 そのときは「そうだったんだ」と全て否定せずに受け止めていくこと、その為の方法が別にないか考えていくことが大切です。

「何で」なのかが明確な方が、自分の欲求・状態・考え方に対しても、理解が深まりやすいです。自分の中にある核=価値観、考え方……この真の価値観に素直に向き合うことこそが2番目のステップなのです。