離婚が怖くて結婚に踏み切れない

回避性パーソナリティの人は、「失敗するかもしれないという可能性が少しでもあるのなら、それを避けようとする」という特徴があります。

このケースでも、好かれそうになると逃げてしまうのは、本当に好かれている場合でもそれが確実でなければ行動に移せない。だから告白できないのでしょう。また、もし相手から告白されたとしても、恋が成就した瞬間から、「この恋が失敗するかもしれない」という可能性から逃れられなくなります。だから、片思いのままになるのです。

いつか離婚するのが怖くて結婚に踏み切れないという人もいますが、ここにも「回避性」の問題があると言っても良いでしょう。結婚する人は、離婚するかもしれないなどと思って結婚しません。自分のありのままの気持ちが、「相手と一緒に過ごしたい。結婚したい」というものだから結婚するのです。だから「離婚のことなんか考えもしない。その可能性があってもいい。でも結婚したい」と思えたら結婚すれば良いだけの話です。

そうならないのには、やはり「自己愛不全」の問題があるのです。

この問題の原因は、相手ではありません。自分の気持ちをありのままに受け止められない自分自身にあるのです。受け止められていたら、「片思い」のままでいたい自分の気持ちが、相手への「愛」ではないとわかるからです。つまりそれは「恐怖」や「不安」が克服できないという自分自身の問題なのです。

この場合も、自己愛不全への対策をしていくことが大切です。

※本稿は、『愛の処方箋』(光文社)の一部を再編集したものです。

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