「他人の顔色ばかりうかがって自分を後回しにしてしまう」「いつも不安でどこか落ち着かない」といった悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような「生きづらさ」について、精神科医Tomy先生は「これらのテーマの根幹には『愛』の問題が必ずあります。もし、『愛』の答えを出せたのなら、全ての悩みを軽くすることができるはずです」と語ります。そこで今回は、精神科医Tomy先生が「愛」に溢れた人生を送る方法をまとめた著書『愛の処方箋』から一部を抜粋してお届けします。
愛とフィジカルの関係
神経伝達物質とは、神経細胞間の情報のやりとりを行っている物質です。非常に多くの種類が見つかっており、その作用は大変複雑です。これら神経伝達物質の機能に何らかの異常が起きると、精神疾患などにつながると言われています。
そのため、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬などの精神科で用いる薬は、主にこの神経伝達物質をターゲットにして開発されています。
この「神経伝達物質」と「愛」がどのような関係にあるのか。私たちが「心のはたらき」と感じ取っているものは、「脳のはたらき」でもあります。この「脳」は神経細胞の集合体ですから、「神経伝達物質」は脳に影響し、心にも影響すると言えます。つまり、「愛」も「神経伝達物資」が形作っているとも言えるのです。
もちろん、この領域は解明されていない部分も多く、諸説あったり、まだまだ仮説の部分があったりもします。神経伝達物質が、全てではないことを予めお伝えしておきます。しかし、その上で「神経伝達物質」というものの存在を念頭に置いて考えるのは、大変有用だと思います。