市区町村も対応に苦慮

このような引き取り手のない遺体は、法令上、所在地または死亡地の市区町村が火葬等を行なうことになっていますが、その際の親族調査や遺体保管に関する統一的なルールはありません。

調査によると、2023年度の引き取り手のない遺体は推定約4万2000人で、全死亡数の2.7%に相当します。

とくに都市部の自治体の負担が大きく、図のとおり、火葬までの期間にもばらつきがあります。

<『検視官の現場-遺体が語る多死社会・日本のリアル』より>

自治体としての対応開始から火葬までの最長期間について確認すると、概ね1週間で火葬している自治体が約55%ある一方で、政令市・特別区で32~61日との回答が多く、最長期間として2ヶ月以上かかるとの回答も2割を超えています。