日常動作が難しくなることも…

(写真:stock.adobe.com)

また、肉類の控えすぎはサルコペニアという状態を招くこともわかっています。

サルコペニアというのは、筋肉量と筋力が一定量以下になり、立ち上がりや歩行など、日常生活に欠かせない動作が難しくなる状態です。

75歳以上の人で2割を超える人がサルコペニアという推計もあり、日常生活で頻繁につまずくようになったり、立ち上がるときに手をつくことが多くなったという人は、肉類の摂取不足が考えられます。

さらに、肉類を控えていると、脳の働きまで悪くなる可能性があります。

やる気の源になるアセチルコリンという脳内物質は、動物の組織、つまり、牛肉、羊肉、豚肉などに含まれているコリンから生成されます。

肉類を控えていると十分な量のアセチルコリンが生成できなくなり、やる気を失ってしまうというわけですね。
 

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