きちんと朝食を取り始めた結果… 

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二十代前半が老人レベルの身体だったとすれば、初老くらいには若返ったかもしれない。

文章を書くスピードも格段に上がり、一日の仕事時間も七時間ほど確保でき、絶対に間に合わないと思っていた書籍の初稿を脱稿した。

それまで私はプロとは思えない遅筆で、だいたいこのような三千字程度のエッセイを書くのに二十時間以上はかかっており、不眠症の頃ならその一・五倍くらいの時間を要していた。

加えて生理前になると頭がまるで働かず、日がな一日原稿を見つめて二行しか進まないということもあった。

あれも違うこれも違うと書いては消してを繰り返し、とにかく納得のいく文章に仕上がるまでに時間がかかっていた。

それが途端に、するすると語彙が出てくるようになり、言葉の取捨選択もさくっとできるようになった。一言で言うと、「これだ!」としっくり来るものがすぐに出るようになった感覚だった。

自分の頭がこんなに冴えることに驚いた。別人になったようだった。