精神だけはたるんでいません
ピアフの恋人のボクサーで航空機事故により命を落としたマルセル・セルダン役は新キャストの廣瀬友祐さん。ピアフが見出したフランスの偉大な歌手、イヴ・モンタン役は藤岡正明さんが13年ぶりに演じます。
廣瀬さんは大竹さんとは会見の日が初対面だったそうで「緊張して寝付けなかった」と終始緊張気味。「マルセルはボクサー役なので、ランニングとなわとびを頑張っています。ボクサーとして説得力が出るような体づくりをしたい」と意気込んでいました。
これを受けて「私も落とさなくちゃ」と大竹さん。「リア王が男性役だったのと、風邪などを引かないよういっぱい食べていたら大きくなっちゃったので、私も縄跳びします」とはにかむと、会場は笑いに包まれました。
藤岡さんは「イヴ・モンタンは身長187センチ。僕は172センチなので開演までにあと15センチ伸びるようにお祈りいただけたら」と冗談を交えながら、「ピアフと周りに生きた人たちは現代の僕たちよりはるかに高い熱量で生きていた。本番までそれを演じきっていきたい」と決意を新たにしました。
一方、初演から15年間、大竹さんと共演してきたのが、親友トワーヌ役の梅沢昌代さんと映画スター、マレーネ・ディートリッヒ役の彩輝なおさん。
梅沢さんは「また少女時代から演じなくてはいけないのですが、古希も過ぎましてあちこちたるんできております。精神だけはまだたるんでいないので、トワーヌを一生懸命に務めさせていただきます」と会場の笑いを誘い、「愛することや傷つくことを怖がる人が多い世の中なので、そういう人たちにも見ていただきたい」とコメント。
宝塚の男役時代を彷彿とさせる、黒いパンツスーツに身を包んだ彩輝さんは「この作品は、初演から私の心の支えであり、マレーネ役とともに成長させていただけたと思っています。また魂を込めて、皆さんと共に素敵に演じたい。ピアフが生きた時代はとても過酷で、みんなたくましく生き抜いた。それを肌で感じてほしい」と語りました。