(写真提供:Photo AC)
こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年の98.2%が「インターネットを利用している」と回答したそうです。そのようななか、成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんは「スマホは、我々にまたとない利便性を与えてくれますが、同時に集中力を奪い、限りある受験生の勉強時間も奪っていきます」と警鐘を鳴らしています。そこで今回は、高橋さんの著書『スマホで受験に失敗する子どもたち』から、親子がスマホと上手く付き合っていく方法を一部ご紹介します。

スマホ依存の原因は「保護者」?

どんな子どもがスマホ依存やネット依存になりやすいのか、自分たちは該当しているのか、気になる方も多いでしょう。実は、調査からある程度傾向がわかっています。

国立青少年教育振興機構が2017年に国内20都道府県の小学5年生〜中学2年生約2千人を対象に実施した(*1)「インターネット社会の親子関係に関する意識調査」を見てみましょう。

子どものインターネットの利用時間が親子関係に与える影響をみるために、平日一日のインターネットの利用時間を、「3時間以上」(「4時間以上」「3時間〜4時間未満」)、「1時間〜3時間未満」(「2時間〜3時間未満」「1時間〜2時間未満」)、「1時間未満」(「1時間未満」「ほとんどしない」)という3つのグループに分け、親子関係に関する項目とクロス集計しています。

その結果、日本、アメリカ、中国、韓国の4か国とも、インターネットの利用時間が長いほど、親との会話が少なく、親と話すことや一緒にいることが「好き」と回答する割合も、親と一緒にいるのが「とても楽しい」と回答する割合も低くなっていました。

<『スマホで受験に失敗する子どもたち』より>

また4か国とも、インターネットの利用時間が長いほど、親は真剣に自分の話を聞いてくれることが「よくある」という回答の割合が低く、逆に「家族が一緒にいてもそれぞれが携帯電話やスマートフォンを操作している」ことが「よくある」と回答する割合や、「家族と食事や団らんのときでもよく携帯電話を操作する」の肯定率が高かったのです。

また、家族と一緒に行動することへの願望や親を尊敬する意識も低くなっていました。さらに4か国とも、インターネットの利用時間が長いほど、親と一緒に「運動する」「本を読む」ことも少ない傾向にありました。