インターネットに逃避する必要

日・米・中の3か国では、インターネットの利用時間が長いほど、親と一緒にインターネットを利用することが多くなっていました。日・米・韓では、インターネットの利用時間が長い者ほど、SNSを利用して親とコミュニケーションをとる割合が高くなりました。

また、4か国ともインターネットの利用時間が長いほど、親はインターネットをどのように利用しているか「よく知っていると思う」と回答する割合が低かったのです。インターネットの危険性についての親からの注意喚起は、日・米・中ではインターネットの利用時間が長いほど、「よく注意されている」と回答する割合が低く、韓国では逆に高かったのです。

『スマホで受験に失敗する子どもたち』(著:高橋暁子/講談社)

つまり、親子の会話がよくあり、親子関係が良好で、保護者が子どもの話を真剣に聞く家庭は、子どもがネット依存になる可能性が低くなるのです。親子で一緒に運動したり、本を読むなども良い効果があります。保護者が子どもに対してインターネットの利用について注意を促すなど、適切な利用について話し合うことも、利用時間短縮に効果があります。

逆に、家族が一緒にいるのに会話をせずそれぞれでスマホを利用していたり、会話ができる時間である食事や団らん中にもスマホを使っていると、利用時間は長くなるというわけです。親子でインターネットを利用したり、SNSコミュニケーションを取るのも、長時間利用につながる可能性があります。

保護者との会話や関係性の中で問題が解決できたり、悩みについて相談できていれば、インターネットに逃避する必要はありません。しかし他に行き場がなく、やることもない場合、インターネットに逃避し、その結果、依存状態となってしまうというわけなのです。