ゲーム依存になりやすい要素

なお、久里浜医療センターの樋口進医師は、ゲーム依存になりやすい要素として、以下の点を上げています。

・男性
・若い(18歳以下)
・リアルな対人関係が苦手
・ゲームがいつでもどこでもできる環境がある
・親子関係が悪い
・両親の仲が悪い(父親と母親の意見が違う)
・リアルなコミュニケーションが苦手

出典:東洋経済オンライン『【ゲーム依存】なる子とならない子の決定的な差』
https://toyokeizai.net/articles/-/64635

これは、先述の調査による、親子での会話が乏しく、親子関係が悪いとネット依存になりやすいという話とも共通しています。親子で仲が良く、よいコミュニケーションがとれていれば、それが子どもの居場所になり、セーフティネットになります。ネットやゲームに逃避しなくてもよくなるのです。

保護者でなくても、リアルな対人関係やリアルなコミュニケーションができれば、現実世界に友達や居場所ができ、相談もしやすくなります。そのような子どもは、リアルの友達に相談できるため、ネットやゲームに逃避しなくてもいいのです。

様々なデータから、女子の方が早くスマホを持ちたがり、コミュニケーションを好み、SNSを使いたがる傾向にあります。他人に相談などをできるのも、女子の方が多くなっています。全体に女子の方が母親に何でも話しており、その結果、女子の保護者が男子の保護者に比べて様々な情報に精通しているという事態は割とよく起きています。

一方男子は、ゲームを好み、SNSでのコミュニケーションは女子ほど好まない傾向にあります。自分の悩みを言語化したり、他人に相談したりすることもあまりありません。「男が泣くな」「男は弱音を吐くな」などの古い時代の悪しき男性教育の影響が残っているのかもしれません。

保護者はそのような教育をしていなくても、知らず知らずに当人は周囲からのメッセージを受け取ってしまっていることは多いものです。男子の方が周囲に弱音を吐けない故に、ネットやゲームが逃げ場になって依存状態となってしまうことが多い点は、くれぐれも配慮するべきでしょう。