お金を増やす方法

その日暮らしのDさんは、社会保険料を差し引かれた週3万5000円ほどで生活し、家賃などが払えない時は前借りする。働けなくなれば収入が途絶えてしまう。インフルエンザやコロナなど、感染症になった時はどうしているのか。

「インフルもコロナも、なったことない。病院は会計になるまでいくらかかるのかわからないから、行かない」

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

それでも、健康に不安がないわけではない。

「下向いて仕事しているせいか、頭痛がするから、いつも頭痛薬を持ち歩いている。この間もあんまり頭が痛いから、マッサージに行ったら、血の巡りが悪いとか言われた」

Dさんに「何歳から年金を受け取るのか」と尋ねたら、繰り上げ受給ができることを知らなかった。

Dさんにとってお金を増やす方法は、平和島のボートレースだ。

「競艇のYouTube見て、この選手、調子良さそうだなと思ったら、仕事の後にそのまま競艇に行く」

かけるのは100円や200円。競艇新聞に赤ペンを入れるDさんは真剣だ。

「周りは結婚しろしろって、うるさいんだよね。割と年は若く見られるほうだからさ」

Dさんは自分が20〜30代のような口ぶりで語る。正直に申し上げると、最初にDさんに会った時、70歳以上に見えた。