痛みはなくすべて順調だと思っていた

1年悩んで、私は手術を受けることにした。いろいろと覚悟していたのだが、矯正は聞かされていたような痛みはなく、装着した器具にもすぐに慣れた。拍子抜けしたくらいだ。

手術後は体力を削られて、2日間はICUで眠り続け、何日かはヘベレケ状態だったが、やはり痛みはなく、1週間で退院することに。

楽じゃなかったのは財布事情だ。わかってはいたが、手術前に毎月通った歯列矯正では、自分の給料の1割、あるいはそれ以上のお金が消えていく。

もともと節約はしていたが、さらに切り詰めて迎えた手術当日。入院費含めて7万円近い請求に魂が飛びかけたが、それが最後の試練のはずだった。

生活面でも、以前は食べにくかったものが楽に食べられるようになり、治療してよかったと思っていた。しかし、それでは終わらない。

「骨を留めているプレートですが、そろそろ取ってもいいころです。取りますか?」

手術で切ったところはプレートで留めて繋いでいる。時機が来たら、それを取り外さなければいけない。医師いわく、「付いたままで構わないなら、やらなくていいですよ。なんの支障もないし」とのこと。