20代で出合った役を、70代になっても演じ続けるなんて思いもよりませんでしたね。ただ、50年も経つと共演者で亡くなっている方もいらして。鎌田さんは本作りに苦労したはずです。
当時、『俺たちの旅』の何が支持されたのかというと、等身大の若者像を描ききっていたところでしょうね。
「これが青春だ!」というような、元気で前向きでキラキラしたものではありません。光が差せば当然できる影の部分をすくい上げることで、生きていることの切なさみたいなものを表現しようとしていた。
物語の作り方も普通とはちょっと違っていて、出演者が実体験のエピソードを披露し合って。お金がなくてバイトに明け暮れるカースケは、そのまんま学生時代の自分でした。
大きな事件や派手な展開はなくても、学業や恋愛、就職に悩み、迷い、ぶつかり合って答えを見つけようとする。3人それぞれダメなところを背負っていて、決して正しいことばかりするわけではないけれど一途でまっすぐ。
カースケは、世の中の正義や常識に対してアンチの姿勢で、いつもカッカと怒っていて。みんなが一生懸命だったからこそ、視聴者は「こいつらバカやってるよ」なんて言いながら熱心に観てくださったのだと思います。