総務省統計局が令和7年9月に公開した「統計からみた我が国の高齢者」によると、2040年には総人口に占める65歳以上人口の割合が34.8%になると推計されています。そんななか、「高齢社会である日本においては、介護業界は世界に先駆けた産業を創出するポテンシャルがある」と前向きに語るのは、株式会社EEFULホールディングス 代表取締役の森山穂貴さんです。森山さんは東京大学在学中に株式会社emome(現:株式会社EEFULホールディングス)を設立し、現在は介護事業所向けのSaaS・在宅介護事業所の運営を行っています。今回は、そんな森山さんの著書『未来をつくる介護』から抜粋し、再編集してお届けします。
海外のとある高齢者施設で衝撃を受けた
「ここは、介護施設です」
そう言って案内された場所に広がる光景は、「街」そのものでした。広場に、エンターテインメント施設、目を転じれば入院できるほどの規模の病院すらあります。ここは海外のとある高齢者施設。入居戸数は3万戸、敷地は20万平方メートルを超えます。
受付を済ませ、白いカートに乗って敷地を回る途中、私は小さな衝撃を受けました。
――ここで使われている「介護」という単語は、私が日本で抱いてきた「排泄や入浴を手伝う動詞」とはまったく別物だ。
日本は「世界一の超高齢社会」と言われます。しかし、その実態はすでに、高齢化率という“数字”のみになろうとしています。
高齢者も豊かな生活ができる環境を用意できているのか、孤独に苛まれた生活になっていないか、改めて今の高齢者にとって必要なものは何かを考えた時に、「世界一」と胸を張って言えるのでしょうか。
本記事では、世界で起こっている高齢社会の最前線についてお伝えします。