健康増進に対してチームで一致団結する
サービスの中心に置かれるのは医療や介護だけではありません。
フィットネスジム、温水プール、アートスタジオ、図書館、リベラルアーツ講座、ボランティア・マッチングなど、多彩なウェルネス・プログラムが用意されます。
学習や社会参加を促すことで自立意欲を長期間維持し、結果として医療・介護費の総量を抑えるという考え方が根底にあります。また、高齢者自身もこうした健康への意識を高く持っています。
コミュニティ運営は入居者自治会が担う比重が大きく、レストランのメニュー、イベント予算、施設改善計画などを入居者自らが議決します。
このボトムアップ型ガバナンスにより、サービス利用者ではなく「街の運営主体」としての自己有用感が保たれ、参加意欲が循環的に高まる仕組みが整っています。また、「ナーシング棟」にはお世話になりたくない、という気持ちが健康増進に対してチームで一致団結する理由の一つになっています。
入居者にも運営者にも複合的なメリットがあります。
転居ストレスを避けつつ費用予測を立てることができ、学びと交流の機会を得られます。運営側は長期資金を活用し、包括ケアによる資源配分の効率化を図れます。
ただし課題も明確です。高額一時金を巡る消費者トラブル、介護ニーズが後年度に集中する「介護の山」、医療・介護・ホスピタリティを横断できる人材確保など、永続性を左右する論点は少なくありません。