運動による多様な健康効果

運動の効果は痩せること以外にもたくさんあります。例えば、米国ミドル・テネシー州立大学の研究者らは、過去の主要な10研究の結果をもとに、心肺機能、持久能力が高いことが死亡率の低下に深く関係があると結論付けています。

私たちの細胞は多量の糖に曝されると糖化します。毎回の食事で血糖値が上がりすぎると、体のあちらこちらで細胞の糖化が少しずつ進み、これが筋肉に起こると代謝が悪くなるのです。

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食後の血糖値の上昇を抑えるには、糖質を摂りすぎないようにすること、ゆっくり食べること、そして体を動かすことが効果的です。食べた後は座りっぱなしや寝っ転がることを避け、散歩や家事、庭仕事のような軽い活動をするのが良いでしょう。例えば、軽いジョギングを20分程度すると、食事をして上昇した血糖値を下げることができます。

運動習慣は血圧の上昇も防ぎます。高血圧になると、やがて血管が硬くなる動脈硬化という病気になります。古びた水道のゴム製ホースのように伸縮性の失われた血管は、血液の流れによる圧力で破れるリスクが高まり、これが心臓や脳の血管に起こると命にかかわります。運動は高血圧を予防することで、心臓と脳の健康につながるのです。

さらに、運動は骨の強化にもつながります。骨密度は成長の過程で高まり、20歳頃ピークに達します。その後、加齢とともに少しずつ低下し、高齢期には骨折リスクが高まります。特に、女性は男性よりも骨密度が低く、更年期を過ぎると急激に低下します。

骨は、筋肉と同じく、重力による物理的な刺激に敏感で、身体活動によって形成が高まります。骨の中身は、コラーゲンというタンパク質が土台となって、これにカルシウムが沈着することによってできています。運動をするとコラーゲンが合成され、カルシウムが沈着しやすくなるのです。