独特の空虚さを背負った就職氷河期世代(写真提供:Photo AC)

 

ひとりでいるときなどに感じやすい《孤独感》。脳科学者・中野信子さんによれば、孤独感は「他者と心が通じていない」と感じることで生じるものだと言います。コロナ禍が明け、多くの人が孤独感から解放されるはずでしたが、実際には今「そばにいるのに孤独」「わかりあえない」という、新たな感情を抱えているようで…。書籍『「さみしさ」に負けないための脳科学』をもとに解説します。

「ロスジェネ世代」の諦め

ここでは、ひとりの人間の一生を縦断的に見ていくのとは別の角度から、時代の影響を色濃く受けたと考えられる世代集団について、少し見ていきたいと思います。

この世代は、2025年現在、50歳前後になっています。この時期は、能力、体力的に、人生の大きな分岐点といえるでしょう。

これからは、これまで蓄積した知のリソースを活かして人生を生きていくことが求められます。

一般的な仕事でいっても、まさに働き盛りの年頃。30代の頃以上に重要なポストを任され、責任を負っている人も多いはずです。

ところが、現在の40代後半から50歳くらいの人は、就職氷河期を経てきた世代という、特有の社会的な特徴があります。

学校を卒業しても正社員になかなかなれず、非正規雇用を長く続けている。正社員になれたとしても、上の世代のようなスムーズな昇進はままならない。そんな人が多い世代なのです。

なにかと押さえつけられてきた時代を長年にわたり過ごしてきたため、パワフルな団塊世代や華やかなバブル世代という上の世代には気を遣い、なおかつ、開き直った感のある新しい時代に順応したゆとり世代以降の若者にも、気後れするような感じがするのではないでしょうか。