トマトの女王

プーリアにはこのほか、スローフードのプレシディアに認定されている食材も多い。

トッレ・カーネのレジーナ・ディ・ポモドーロ(トマトの女王の意味)は、冬でもフレッシュに食べられる小ぶりのトマトである。

海の近くで栽培されるため、塩分を含んだ土壌に育ち、それが水分を閉じ込める硬い皮をつくる。この小ぶりのトマトは、綿紐でヘタを結わえて一房の葡萄のようにして台所に吊るしておく。すると表面が腐敗することなく、冬まで保存できる。マンマは、台所に立ってパスタソースをつくる際、頭上からこのトマトをもぎとってそのままフライパンに入れる。古代から伝わる工夫である。

レジーナ・ディ・ポモドーロがスローフードのプレシディアを名乗るためには、トマトと同じ畑で紐になる綿花も栽培しなければならない。昔、トマトを結わえた綿糸の原料を、同じ畑で栽培したという歴史を伝承していくためである。