養老 まるも死ぬ間際に、どうしても外に出してくれというので、女房が玄関から庭に出したんです。
僕は出かけていましたが、女房がちょっと目を離した隙に、斜面を落ちて草に引っかかって――抱き上げた時はまだ息があったけれど、まるが大好きだったボケの木の下で休ませてあげたら、しばらくして息をしなくなった。
僕が帰って見たら本当に安らかな顔をしていて。ずっと具合が悪かったので、来るべき時が来たと思いました。
室井 そういえばまるちゃんのお骨は今も家にあるそうですね。
養老 ありますよ。前のチロは、庭に埋めたんです。もともとこのあたりは昔のお坊さんのお墓だったところですから。まるの骨も、庭に埋めようという気持ちになるかもしれない。
室井 うちも骨壺が6個あるんです。私は出身の富山にお墓がありまして、浄土真宗ではお墓に人間以外のお骨を入れてはダメなところが多いようで。
私の同居人は猫と一緒のお墓に入りたいというし、お前はどうするんだと聞かれるけれど……。先生は、まるちゃんと一緒のお墓に入りたいとは思いませんか?