具体的な不正
具体的な不正は以下のようなものである。HISの子会社ミキ・ツーリストは、関連会社である宿泊施設運営会社JHATと連携し、実際には宿泊のないプランを大量に販売したように装い、宿泊実績を水増しして補助金を申請していた。たとえば、あるプランでは「20室×60泊=1200泊」という設定で、1泊あたり6万8000円という高額価格で販売したとされていたが、実際に宿泊が確認されたのは114泊に過ぎなかった。
それにもかかわらず、事務局には満額分の宿泊実績が報告されていた。調査委員会によれば、契約上の客室代金と並行してJHATとの間で「協賛契約」が結ばれており、給付金や地域共通クーポンなどの支出・収益が両社の間で分配される構造があったとされる。
またジャパンホリデートラベルは、法人契約を通じて「社員研修」などを名目にした大量宿泊プランを販売していたが、実際には宿泊者本人がその宿泊の事実を知らない、あるいは一度も利用していないと答えるケースが多数確認された。
GoToトラベル事務局側では、同一顧客による不自然な複数予約や高額連続予約といったパターンをシステムで検出し、HIS子会社に照会を行った。照会後に行われたアンケート調査などで、宿泊実態の欠如が次々に判明したことで、不正の構造が浮き彫りになった。