東 患者への病状や余命などの伝え方については、各医師の裁量に任されているんですか?
下山 病院によって大まかな方針はありますが、伝え方は個人に任されています。医師によって診療スタイルが違うので、それでよいと思いますが、だからこそ患者さんと医師の相性の合う合わないがある。私自身、今の年齢だからできる話し方もあり、若いときは率直に伝えるのがなかなか難しかったです。
東 説明を受けるときは、家族だけでなく患者本人も立ち会ったほうがいいのでしょうか。
下山 特に末期がんでは、患者さんと家族が一緒の場で病状を説明したほうがよいと思います。家族が何も知らされていないと「もっと早く知っていたら」と後悔が残りますし、患者さん本人に伝えなければ、終末期をどう過ごしたいか、意見を聞くことができません。お互いが遠慮してしまいがちな事柄ゆえに、一緒の場で話すことが大事だと思っています。
余命に対する考え方も、人それぞれです。「延命治療は一切望まない」という方もいれば、「孫の結婚式を控えているので、それまでは何が何でも生きたい」という方もいる。
私としては、最期を迎える患者さんが家族に「ありがとう」と言い残せる時間を作りたいと思っています。その言葉があれば亡くなったあとも家族の中で生き続けることができますから。