「小・中学校でさんざん無視されてきたので、スルーされるのが一番つらいことだって知っている。これは嫌味ではなく、悪口が書かれていても、忘れられたり何も言われなくなるよりかはマシ。呟いてくれてありがとう、です」

全部がいいほうに転んでいる

中村 振り返ってみて、芸能界でつらかったことは?

 17歳から35歳までずっと、毎日つらいですよー。でも今が一番幸せで、過去には戻りたくない。その幸せは周りの人のおかげです。人とのつながりに恵まれているし、運とタイミングだけはいいな、裏切られたこともないな、と。

いじめられていたことがオーディションを受けるチャンスになったし、datが売れなかったおかげでバラエティに出てみんなに知ってもらうことができた。全部がいいほうに転んでいるから、失敗はしていないんです。ただ、17歳から35歳の今まで、一回でも結果を出せた、数字を残せた、というのがないんですよ。

中村 え、そうですか?

 『ヘキサゴン』では羞恥心とPaboがいて、ウチは準レギュラーで毎週出ていたわけでもない。『ロンハー』もそう。テレビに出まくるわけでもなく、賞もとってない、どれも中途半端。misonoはこれ、というのがない。YouTubeをやっても、モノマネやコスプレをすればめちゃくちゃ叩かれて。ずっとトンネルの中にいるような感じです。

中村 そういう葛藤があったんですね。でも、子ども時代のいじめ以上に、ネットではものすごいバッシングを受けて炎上したり。なぜ耐えられるんですか。

 ウチは小・中学校でさんざん無視されてきたので、スルーされるのが一番つらいことだって知っている。これは嫌味ではなく、悪口が書かれていても、忘れられたり何も言われなくなるよりかはマシ。呟いてくれてありがとう、です。

旬でもなく人気者でもないmisonoを思い出して書いてくれた。だから批判的な内容でも、受け止めるよ、という意味で全部、「いいね」を押すんです。しかもその批判が図星だったりする。だから共感の「いいね」でもありますね。

中村 どこが図星なんですか。

 なんだろう、毎日書かれすぎて……。よく言われるのが、うるさい、かまってちゃん、メンヘラ、悲劇のヒロイン、自己チューだとか。実際そうなんだろうなと思います。

中村 エゴサーチ(自分の名前を検索すること)されるそうですが、傷つくことも多いでしょう。

 みんながmisonoだったら自殺してるんじゃないかと思うくらい、正直つらいです。

中村 旦那さんのご病気や自身のメニエール病をテレビで公表したら、売名行為だとひどい言われ方もしましたね。

 Nosukeの病気を利用してテレビに出てる、またブレイクを狙ってると。でも自分は、Nosukeのブログを見てほしかったからテレビに出たんです。それから自分がメニエール病になって。このときも公表してめちゃくちゃ叩かれたけど、メニエール病の人からは感謝されました。

「misonoさんが症状を伝えてくれたおかげで、すごくつらい大変な病気なんだと会社の人にわかってもらえて、休むことができました」と。バッシングの裏にもこういうエピソードがあるんで、公表してよかったです。

あと、旦那を看病していたとき自分も体調を崩して入院したことがあるんですが、このときも「入院してるって言うな、旦那の気持ちを考えろ」と叩かれました。でも同時に、家族を看病している人からたくさんメッセージをもらって。病気の人が一番つらいししんどいけど、看病している人も寝られないし大変なんだと、すごく共感していただけました。