元気を取り戻したが……

特に、夏以降、転院して体調が劇的に良くなった義父は、徐々に自信を取り戻していった。3年前に脳梗塞で倒れる前の、矍鑠(かくしゃく)とした義父が戻ってきたのを私も感じていた。同時に、私が大嫌いだった義父のクセまで戻ってきた。具体的に書くと、心配性なところ、しつこいところ、クレーマー気質なところ、道路工事への謎のこだわり(角栄チャイルドか?)、ネガティブな思考といった部分だ。

義父が元気を取り戻したことは、大変喜ばしいことで、これ以上の幸運はないと思う。なにせ御年90の後期高齢者が、毎日庭の掃除をし、ウォーキングに精を出し、調理をし、認知症の妻を助けることができているのだから! それほど幸運なことはないというのに、私もケアマネさんも、どうにもため息が止まらない。だって、義父がすべての介護サービスをキャンセルしようと躍起になっているからだ。義父はいいとしよう。ケアマネさんもそう言っていた。

『義父母の介護』(著:村井理子/新潮社)

「お義父さんがそう望むんだったら、もういいとしましょう。でも、お義母さんは絶対に支援が必要です。私は、その点だけは譲ることができないんです!」

ケアマネさんのおっしゃるとおりなのである。義父はいい。しかし、義母はダメだ!