スルッとすり抜ける「ガラスの天井」
石原慎太郎さんや三宅久之さんらと激論を交わしていた田嶋陽子さんが「大体、あんたらが女を馬鹿にするからだ!」などと憤激する場面があった。
田嶋さんはあまりの怒りに目に涙を浮かべて、「私はもう帰る!」と収録中にもかかわらず席を立った。
隣に座っていた阿川さんは慌てて田嶋さんの机にあった資料などをまとめて、手渡そうとする。すると田嶋さんは「本当に帰ってほしいのか! アンタは育ちが悪い!」と言って、受け取った資料で阿川さんの頭を引っ叩いたのだ。
「別に帰っていただきたかったわけじゃなくて、お帰りになるっておっしゃるんだもん。だから、ただ荷物をまとめて差し上げたんですけどね。育ちが悪いというのは、おっしゃるとおりですけど(笑)」
おそらく田嶋さんは男性出演者らの女性蔑視とも取れるものの見方に怒っていたのだろう。そして、その分厚い壁を破ろうと声を荒らげたわけだ。そのすぐ隣で、いとも簡単にスルッと壁をすり抜けてしまうのが阿川さんなのである。
※本稿は、『女の“変さ値”』(潮出版社)の一部を再編集したものです。
『女の“変さ値”』(著:鎌田實/潮出版社)
人とは違う自分らしさやユーモアを武器に、人生を切り拓いてきた10名の女性たち。
華やかな経歴の背景には、それぞれが悩み、葛藤しながらも乗り越えてきた「ガラスの天井」があった。
本書では、女性ゲストの人生の軌跡を医師・カマタならではの温かな視点で紐解いていく。





