死刑判決が確定し未執行の死刑囚は、2026年4月8日時点で101人となっています。事件関係の取材や執筆を行うノンフィクションライター・片岡健さんは、面会や手紙で多くの死刑囚を取材し、その素顔に迫ってきました。今回は、片岡さんの著書『実録 死刑囚26人の素顔』より一部を抜粋して、死刑囚の素顔をお届けします。
最初から子供はいなかったと思うようにしています
筧千佐子はどんな人生を辿り、「後妻業」と言われる犯行をするようになったのか。
1946年11月、千佐子は長崎県で生まれた。だが、母親は未婚だったため、生後すぐ福岡県北九州市の夫婦に養女に出されている。
勉強はできたようで、高校野球の名門としても知られる福岡有数の進学校・東筑高校に進学。卒業後は都市銀行の地元の支店に就職したが、旅先で知り合った大阪府の男性と交際し、24歳の時に結婚。そして大阪で結婚生活を営み、1男1女をもうけた。
「最初の旦那さんとは、結婚して良かったと思いますか?」と聞いてみた。千佐子は「最初のうちはね」と言った。
「結婚して、生活がかかってきたら、相手が好きかどうかより、食べていかんとあかんから。子供が産まれたら、育てんとあかんしね」
ちなみに人生で一番幸せを感じたのは「子供を産んだ時」だったそうだが、現在、子供たちは面会に一切来ていないという。
「エエことして捕まったわけやないから当然です。最初から子供はいなかったと思うようにしています」