伊藤 「最近背が縮んだ」「背中が丸くなった」という人は、この《いつのまにか骨折》をしている可能性が高いです。尻もちをついた拍子に背骨が潰れてしまうケースもあります。

1つ折れると周辺の骨に負担がかかり、次々に骨折する《ドミノ骨折》を招くことも。痛みがないため放置されがちですが、悪化するとまっすぐ歩けなくなったり、腰痛や誤嚥性肺炎を起こしやすくなったりと、体にさまざまな悪影響が出ることもあります。

夏樹 背中が丸いのは骨折している可能性もあるんですね……。

伊藤 骨粗しょう症を放っておくと、50代、60代から手首、足首、肩の骨折が増えます。70代以降は転倒リスクが増えて、大腿骨や腰椎を骨折することも。そこから要介護状態になってしまう方も少なくありません。

よく「私は骨太」「若い頃から運動している」「一度も骨折したことがない」と安心している方がいますが、残念ながら骨折する可能性は大いにあります。

夏樹 先ほど、手首を骨折してから骨密度を上げる注射を打っているとお話ししましたが、最初は処方された飲み薬を飲んでいたんです。

でもその薬が私には合わず、途中で注射に切り替えました。骨折した年から治療を始めて、翌年に骨密度が7%アップ。その翌年も4%アップと、順調に増えています。

伊藤 素晴らしいです。一般的に、骨密度が若年成人(20~44歳)の70%以下だと骨粗しょう症と診断され、血液検査で破骨細胞と骨芽細胞のバランスを調べるんですね。結果に問題がなければ、食事や運動習慣を見直すだけで骨密度を上げることができます。

破骨細胞のほうが活発で、骨がどんどん壊されているとわかれば、薬や注射で治療が可能です。

夏樹 いろいろ治療方法があるのですね。

後編につづく

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