2025年10月20日(現地時間)、ショパンコンクールのファイナルでは、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団とともに、「ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11」を演奏(撮影(c)W.Grzedzinski/NIFC)
ポーランド語で「ハッピーバースデー」
課題曲の多くは以前に弾いていましたが、ファイナルで演奏した「幻想ポロネーズ」をはじめ、ゼロから勉強する曲も何曲かありました。
また以前に弾いたことがあるといっても、5~10年ぶりに本棚から楽譜を引っ張り出してきたような曲は、当時の自分がまだ若く、解釈が未熟に感じられ、結局一から考え直すことに。
30歳の今だからこそできる表現を模索できたことは、ピアニスト人生において大きな意義があったと感じています。
曲に「取り組む」とは、単に、楽譜通りの演奏を暗譜で弾けるようになることでは終わりません。たとえばショパンの作品は、AIに楽譜を読み込ませ、自動演奏をしてもきっと美しいでしょう。
けれども演奏家がショパンの人物像や時代背景への理解を深め、自分の表現を探していくことによって、それぞれの個性が響き始める。その違いがあるからこそ、たとえばコンクールなどで「このピアニストの演奏が好きだ」といった感想が生まれるのだと思うのです。