読み、書き、話し、聴くの四技能
戦後、アメリカの教育視察団がやってきて日本の学校教育改善の提言をした。ことばに関してアメリカがおどろいたらしいのは、そしてつよく改善を求めたのは、読み一辺倒の教育であった。
“読み、書き、話し、聴く”の四技能を併行して伸ばすように指示した。日本人ははじめて、読み、書き、話し、聴くの四技能ということを知った。これは正当な指摘、指示であった。
やがて、学習指導要領が制定され、教科書はそれに準拠して作られることになった。話し聴くことばの教育など考えたことのない日本の国語教育は途方にくれた。そして、アメリカの指導を無視することにしてしまった。
小学校、初年級の教科書には、おしるしばかりの、話し方教材なるものがつくられた。教科書ができても、話し方を教えられる先生はいない。飛ばしてしまう。まったく役に立たない教材なら、やめてしまおう、となって、話し方教材はほぼ姿を消した。
※本稿は、『乱読・乱談のセレンディピティ』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『乱読・乱談のセレンディピティ』(著:外山滋比古/扶桑社)
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