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余命はわかるのか

自分のことであっても、親しい人のことであっても、がんとなると、予後がどうか、余命がどれくらいかがどうしても気になってしまう。しかし、余命の予測は可能なのだろうか。

その答えは、正確には無理だけれど、ある程度は可能である、といったところだ。あくまでも、余命は「その人の未来」を予言するものではなく、「似た病状であった人たちの過去」から推測される目安にすぎない。

どの部位のがんであるか、ステージはどれくらいか、全身状態はどうか、他の病気を合併しているかどうか、から、過去の統計データを参照して推定することになる。これからは、がんゲノムのデータやAIも利用されていきそうだ。

しかし、このようにしておこなわれる予測は、あくまでも、ある集団としての推計値であって、特定の個人にぴったりとあてはまるものではない。何しろ、がんは個性的なのだ。予想よりうんと長生きする人もいれば、短い場合もある。

生きている間に何をしたいかを決めるためには、余命がどれくらいかという情報は重要だ。だからといって、すべての人が知りたい訳ではないだろう。

性格にもよるが、思っていたよりも短いと知らされた場合、心理的にダメージを受けてしまう可能性だってある。自分ががんになった時に余命を知りたいかどうか、考えておいた方がよさそうだ。

わたしなどは、たとえ短くとも教えてほしいタイプである。一方で、いくら親しい人でも、余命どれくらいなん?とは、とても聞けそうにない。