相場に「出口」はありません

このように考えると、積立投資における取り崩しを「相場の出口」として捉える必要はありません。取り崩しとは、人生の時間軸に沿って、資産の一部を生活に戻していくプロセスであり、「積む」と「使う」は対立する概念ではなく、同じ一本の時間軸の上に自然に並んでいるものなのです。

資産運用のコアとして選んだファンド――たとえばオルカンのような存在――を人生のパートナーとして位置づけるのであれば、よいときも悪いときも共に過ごす覚悟が必要になります。相場が順調な時期だけ付き合い、逆風になると距離を置く、という関係ではありません。

だからこそ、取り崩しは投資の終わりでも、失敗の結果でもないのです。それは、使うために育ててきた資産を、予定通り、その役割に応じて使い始めるだけのことにすぎません。

相場に「出口」はありません。しかし、人生には確実に「使いどころ」があります。積立投資とは、いずれ訪れる使いどころに備えて、時間をかけて着実に準備をしていく行為に他なりません。

※本稿は、『オルカン思考: 世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』(Gakken)の一部を再編集したものです。

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